
BTTLE ROYALE 外伝
一の見たレクイエム
ここはどこだ?
ふと気がつくと一は校舎の中にいた。たしかに自分は殺し合いの戦場にいたはず。しかも手に持っていたファマス5さえもない。
ああ、いつのまにか死んでいたのか。きっと自分は死んだことすらもわからないで死んだんだ。そう一は思った。
一は歩く。たしかにここは見慣れたいつも通っている第四中学だ。だが一の他に誰一人としていない。
廊下から三年の教室に行く為の階段を上る。
「タンタンタン」と足音が誰もいない学校に響く。なんとも不気味だ。
一体自分はいつ死んだのか。
あの洞窟で敬二が死んで。
そのまま泣き崩れた。その時に死んだのか?いいや、これは夢か?たしかにあの時殺されていた
というのはおかしい。
考えれば考えるほど一の頭の中は混乱していた。確かに確かにと、なんども呟くが、これといって自分が死んだ原因がつかめない。
階段を上り、3階の廊下に出た。手前から三年A組と順番に教室が並んでいる。
「・・・・」
全く音がしない。一は息を呑みこんで三年E組の教室へ足を運ぶ。
「がらがら」と戸を開け、教室の中に入ったその時だった。一の目の前には二人の人間が立っていた。
「敬・・・二・・・」
死んだはずの敬二が、河北祥子と共に一に背中を向けて立っていた。一の声に敬二はすぐに振り向き、一言言った。
「どうした?忘れ物か?」
・・・。まったく予想もつかない言葉だった。一はなにをどういい返せばまったくわからなくなった。しかし
成り行きというのは怖い。淡々と、自然に口から言葉が出る。
「わからない・・・・。敬二、俺死んだのか?」
「・・・・」
「俺、お前が死んでるのを見て、泣き崩れた。それからここにいた。なんでだ?」
「ふっ、そんなこと俺が知るわけないだろ。お前はお前だ。俺と祥子は確かに死んだ。けど幸せだ」
「と言う事は、俺も死んだって言う事か・・・」
「いいや、お前は死んでないさ」
「え?」
薄っすら微笑んだ敬二は言った。
「お前を呼んだのは俺だ。一はまだ死んでない。まだ死んじゃいけない・・・・」
それから一の意識が薄れた。だが最後に敬二が口を開いてなにか言おうとしていたが、あまり聞き取れなかった。
「優勝して・・・・」までしか・・・・。