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BATTLE ROYALE 外伝

クリスマス特別小説『ホワイトブロッド』
デスクリスマス・プログラム




 「ダダダダダ」と体育館内に物凄い爆音が聞こえてきた。銃声?工事?なんだ?
 バスケットの練習をしていた神山克人のボールを持つ手が固まった。そのコート内で、一緒にバスケットの練習をしていた寺島留美、神楽天美も銃声がした 方へ耳を傾け、動いていた足はすでにぴたりと止まっていた。同じ様に体育館の舞台に上がる階段に静かに座っていた木山誠治も首を伸ばして気になっていた。
 その手前コート(入り口付近)にはバレーの練習をしていた影野樹、本城一、石上晴香、牧野つくしも同じ様に動きを止めている。他には卓球部の 椎名瑞希、杉孝明、バトミントン部の岩下愛、真行寺文香が三角座りをしている。まさに体育館内はさっきまで活気に満ちていた空気が銃声でいっぺんに変り、 不安と恐怖の空気に包まれた。皆体温が抜けていく。
 「なんの音だ?」
 克人の一言で体育館の中にいたクラスメイトが一気に騒ぎ出した。「なに?」「え?え?」「なにが起こったんだ?」
 静かに克人は階段に座る木山に話し掛けた。
 「木山、やっぱおかしくないか?」
 「・・・ああ」
 そう、克人のバスケット部は今日も練習だったが、来て見たらE組の人間以外誰もいなかったのだ。このときから何か考えていた克人だったが、その時ある一人が体育館の 玄関の方に歩いていった。
 「・・・・何の音?」
 神楽天美だ。バスケットは普通だが、運動神経はかなりよい女子。影野樹と付き合ってるらしく学校ではいつもいっしょに歩いているのを目撃する克人だった。 その天美が不吉な顔をして玄関の方に歩いていく。
 「がらがらがら」と突然玄関からローラーの音が近づいてきた。その音の正体はすぐに現した。上着はサンタの服を着ている兵士が数人大きな掲示板を持って 入ってきた。体育館内の生徒は唖然として見ている。すぐに体育館の真ん中に掲示板が設置され、風のようにすぐ兵士達は体育館から出て行った。
 「あれ、専守防衛軍兵士だ・・・」
 不意に近くにいた樹が独り言を言った。なんだとと言う顔をして皆は樹の方へ向く。専守防衛軍が来ると言う事はすべてよい事ではない。結果的にすべて悪い事態と 言う事になる。
 「なんで専守防衛軍だってわかったんだ?」
 「赤い上着の胸ポケットに金の桃のロゴがあった・・・」
 一の質問にはきはきと樹は答えた。それはともかく克人は掲示板を見て騒いでいるクラスメイトに近づいた。
 「なんだ?」と掲示板に近づいた。そこには何枚かの紙が貼っていた。一つは文字ばかりで、もう一つは絵が入っている。
 『みなさんこんにちは。サンタだよー。今回のデスクリスマス・プログラムは幸運にも香川県にやってきました。さてさてみんなはこの紙を見て訳がわかんないと思うけど、 言ってみればこれはみんなが知ってる第六十八番プログラムとあんまり変わんないものだよ。変ってるのは、みんなはお互いに殺さなくていいんだよ。協力して 一人のサンタさん殺せばそれで終わりますからね。今回のサンタさんは、雪乃桜さん25歳です。美人だから誘惑されないで殺してね。殺した人にはとっておきの プレゼントが待っているよ〜では頑張って。もうこの紙を見たと言う事は試合は始まっているからね。この学校内にいるE組のみんなでサンタさんを殺すのもよし。 単独で行動するのもいいよ。でもこの学校からは逃げれないよ〜出口という出口には凄く厳重な見張りがいますからもし脱走しようとすると射殺されますので 気をつけてね。制限時間は今日一日まで。もしそれまで桜サンタを殺す事ができない場合は、専守防衛軍がみんなを射殺しに行きます。武器は何でもOK!それじゃあみんな頑張って殺してください』
 一体この内容はなんなのだろうか。というよりもデスクリスマス・プログラムとは何のためにやるのだろうか・・・。克人は隣に貼っていた紙に目をやった。 それは正しく名簿表だった。名前の横にはクラスメイト各自の顔写真が貼っていて、赤色で運動神経、忍耐力、殺意感、正義感、知能、生命力が六角形のグラフで 表示されていた。克人は思わず自分のグラフに目をやると、運動神経が良くて、殺意感が少なかった。
 更に掲示板に張ってある最後の紙を見た。そこには『雪乃桜サンタ詳細』と題されて書かれている。身長、体重、バスト、ウエスト、ヒップまで書かれている。 しかし貼ってある写真とスタイルは一流の美人女優だ。だがこの美しさが帰って危なっかしいと思った。紙に書かれていたのはそれだけではなかった。 サンタに良く見るプレゼントの袋には、入っている物と書かれており、『ガトリングガン』『携帯用PSG』『UZI』『赤外線爆弾』『手榴弾』と表示されていた。 それを見て思わず「うわっ」と言った。
 「とにかくさ、みんなで協力してサンタを殺せばいいんでしょ」
 垢抜けた顔でつくしはクラスメイトに向かっていった。すでに殺る気のつくしを尻目に不安げな表情の女子が目立つ。
 「牧野さん!戦うって言っても武器がないでしょう!」
 天美が割り込んでつくしに叫ぶ。つくしはそれを言われて言う言葉がなくなるだろうと皆が思っていたが「探せばいいことよ。家庭科教室には包丁があるわ」と 自身有り気に言った。天美とつくしはライバル意識がんがんに出ている。それを寺島留美は冷酷な目で見つめていた。
 「あと理科室には色々と薬物があるよね」
 石上晴香も自身有り気な表情で言った。
 「ちょっと待って・・・。と言う事は、私達のほかにもE組のみんながこの学校内にいるって事?」
 瑞希の発言で女子は静まり返り、みんなよく聞いていた。その隣でちらちらと一が瑞希を見ている。すぐに克人にはあることが分かった。それで 克人は考えた。
 「そうか。なら部活をやってる武道館の柔道部や剣道部も俺達みたいに同じ様になってるって事だよな」
 「なら他の人は?」
 文香が言い終わる前に樹が何か考えていたことを口にした。
 「他の陸上や外でやる部活のみんなは教室のどこかにいるだろう。基準が部活ごとに分かれているから何らかの形で必ずE組のみんなはいるはずだ」
 このとき克人はもう一度生徒の詳細を書かれている紙に目をやった。今いるクラスメイトの中で一番知能が高いのは誰か見たのだ。結果は少し驚いた結果がでた。 知能ならば樹が一番だと思っていたが、一番高いのは孝明だったのだ。もしかして生まれながらにして持ってる才能って奴か?二番はやはり樹だった。比較的に樹は バランスが取れているが、知能がだんとつで高い。三番は瑞希だった。以外にも正義感も大きい。それにしても瑞希は知能と同じ様に生命力が高い。他には石上晴香は 知能が高い。留美は生命力が高い。天美は運動神経、木山は殺意感がグラフを越えている。生命力も高い。一は正義感と忍耐力が高い。つくしは忍耐力、 愛は正義感、文香は知能と皆それぞれこう見ると特徴が出ている。
 「だからー!とにかく武器を探してサンタを倒そうよ!」
 「でもサンタって言ったってどんな人かまだ見てないわよ」
 「うるさいわね・・・」
 つくしと天美が言い合いをしている間を留美がすり抜けて行く。トコトコと玄関に一人で歩いていく。
 「待てよ寺島!」
 克人が止めようと足を動かした瞬間だった。遠くで鈴の音が聞こえてきた。それがサンタである事がすぐにみんな分かった。
 「みんな!逃げろ!今じゃ殺される!裏口から!」
 樹の呼びかけにみんなは騒ぎ出し、舞台にある裏口に向かったが、逆に玄関に逃げようとする者もいた。一はその玄関に逃げようとする文香を追った。
 「馬鹿野郎!殺されるぞ!早く来い!本城!真行寺さん!」
 克人の叫びも虚しく、玄関に黒い影が見えた。その影はすぐに姿を現した。写真のまんまだ。美人でスタイルもいい。克人はつい見とれてしまった。逃げる 男子達もそのサンタに驚きを隠せないでいた。美人すぎる・・・・。この一瞬がまずかった。
 「殺してあげるわ!地獄行きのバスは近くで待ってるわよ!」
 桜はガトリングガンを走りながら撃ち放った。「ダダダダダダダ」とドリルの音がすぐ克人の近くで聞こえる。これがさっきの音か。克人の 後ろでは「うっ」と銃弾を喰らって倒れる誰かがいた。みんなは悲鳴をあげて裏口から逃げようとする が桜は赤い上着から手榴弾を3,4個出すと一個ずつピンを歯で外し、助走をつけて逃げる生徒に向かって投げた。
 「ちくしょう!」克人は急いで舞台に上がった。裏口は舞台裏の左に設置されていたが、あえて数が少ない右に逃げた。目の前には木山が走って同じ方向に 向かっているようだが、このとき不意に思った。――――俺は逃げている。あえてみんながいない方向に逃げているってことは、俺は自分だけ助かろうとしている――――
 一瞬足を止めた瞬間、体育館全体に大きな灯がついた。それと同時に視界が真っ白になり、大きな爆発音が耳の鼓膜まで響いた。
 舞台がぐらぐらと揺れ、セットが崩れ始めていた。上に設置されていたライトや大きな金属の何かが舞台に落ちてくる。
 「ドドーン」と体育館の外。そう、裏口のすぐ側で大きな爆発がした。どういう事だろうか。サンタは一人しかいないはず。目の前の桜サンタは大いに笑って 楽しそうだ。その間もガトリングガンを天井や銃弾を喰らって倒れている一、文香に向かって放つ。
 男子十五番 本城一、女子十一番 真行寺文香、十四番 寺島留美香死亡

 「きゃはははー!楽しいわー!裏口はだめよ〜!私が赤外線爆弾を設置しているからね〜!」
 男子十番 杉孝明、女子一番 石上晴香、五番 神楽天美、十九番牧野つくし死亡

 「何だと!」
 思わず裏口の桜の顔を睨んだが、頭からぽたぽたと液体が毀れているのが分かった。そう、血だ。手で触るとずきずき痛む。ちくしょう!くそったれ! サンタめ・・・。「がしゅっ」という音で克人の視界は真っ暗になった。  

【サンタクロース殺害まで残り31人】




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